RTL-SDR DVB-T+FM+DAB (RTL2832U+R820T2) 使用記

初版 2016.04.23 UP
最終更新版 2016.06.01 UP


初めに

 RTL-SDRに使えるDVB-T+FM+DAB(RTL2832U+R820T2)を今更ですが購入しました。

 ご存知の方も多いと思いますが、DVB-T+DAB+FM、DVB-T+FM+DABは本来、ヨーロッパ方式(DVB-T)または第2世代ヨーロッパ方式(DVB-T2)の地上デジタルTV放送、地上波デジタルラジオ放送のDAB、通常のFM放送が受信できるPC用USBチューナー(ドングル)です。

 これを海外の有志が製作したドライバーZadigをPCにインストールして、PCでSDRソフトを使うと、広帯域受信機として使えるものです。ご存知のようにデコーダーチップのRTL2832Uを積んだチューナーとSDRソフトを使ったソフトウェア受信をRTL-SDRと呼んでいます。

 アナログTV映像復調ソフト TV Sharpを使うとアナログTVの受像もできます。

 DVB-T+DAB+FM(黒ケース)はR820Tを積んだもの、DVB-T+FM+DAB(青ケース)はR820T2を積んだもので、R820TはDVB-T対応チューナーチップ、R820T2はDVB-T2対応チューナーチップです。DVB-T+DAB+FM(黒ケース)はTV28Tv2DVB-T(R820T)、Mini Digital TV Stickの製品名でも呼ばれています。

購入

 DVB-T+DAB+FM、DVB-T+FM+DABは日本のamazonで次のように複数販売されています。価格は2016年4月下旬現在。

(A) 純正品
DVB-T+DAB+FM(R820T)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00E0LAKRI 1300円
DVB-T+FM+DAB(R820T2)
http://www.amazon.co.jp/dp/B013S9L05S 1480円

(B) シャフトコーポレーションのUSBコネクタ換装品
DVB-T+DAB+FM(R820T)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DUKWIXE 2580円

(C) シャフトコーポレーションの国産水晶振動子&USBコネクタ換装品
DVB-T+DAB+FM(R820T)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00F25HMIQ 3750円
DVB-T+FM+DAB(R820T2)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00TB23FHS 3950円

(D) シャフトコーポレーションのTCXO(温度補償型水晶発振器)&USBコネクタ換装品
DVB-T+DAB+FM(R820T)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00H39R004 5750円
DVB-T+FM+DAB(R820T2)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00VDSFXDC 5950円

 (A)の純正品はUSBコネクターの品質が悪かったり、搭載されている水晶振動子の性能が悪いため、これらをシャフトコーポレーションが換装した(B)、(C)、(D)が販売されています。

 安価な(A)の純正品を購入して自分でUSBコネクタと水晶振動子を交換すれば安く済みますが、私にはそのような技術力がないので、(C)か(D)を購入することにしました。(C)と(D)のどちらが良いかハードに詳しい知人お二人にお尋ねしたところ、FM受信やTV受像なら(C)で十分とのことで、価格も考慮して(C)にしました。

 R820TとR820T2のどちらにするかですが、R820TとR820T2の違いについて検索すると、1000MHz台のADS-B(航空機発信電波)の受信ではR820T2が良いそうですが、VHFのFM受信やTV受像については知人お二人によればR820T2の方が希望がありそうという程度で、価格差もほとんどないのでR820T2にしました。

 私が購入したのはこの機種になります。
DVB-T+FM+DAB R820T2&SDR
・RTL2832U+R820T2
・有限会社シャフトコーポレーションの国産水晶振動子&USBコネクタ換装品
・水晶振動子は日本製表面実装型水晶振動子(SMD型X-tal) 28.8MHz 常温周波数偏差/周波数温度特性共±10PPM以下
 (オリジナル製品の水晶振動子は±50PPM)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00TB23FHS 3950円

 一緒に次のものを購入しました。

MCX-P/BNC-J変換ケーブル
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K7OSQ5U 1480円

BNC-P/F-J変換コネクタ
http://www.amazon.co.jp/dp/B0046WJP22 330円

 DVB-T+FM+DABのアンテナ入力はMCX-Jですが、アンテナを直接チューナーに接続すると、チューナーのアンテナコネクタ部分が破損する恐れがあるため、変換ケーブルを購入しました。これで私のシャックではアンテナから来ているF-PコネクタやBNC-Pコネクタを接続できます。

 同様に、PCへのUSB接続はDVB-T+FM+DABを直接ノートPCのUSBポートに接続すると、チューナーのUSBコネクタを破損する恐れがあるため、USB延長ケーブルを使います。USB延長ケーブルはこのチューナーが「使えるもの」であれば専用のものを購入しようと思いましたが、現状では手持ちの予備のものを代用しています。

 また、シャフトコーポレーションのチューナー専用放熱プレート+小型ヒートシンク搭載キットは、このチューナーが「使えるもの」で長時間使うようであれば購入しようと思いましたが、現状ではまだ保留中です。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00H7WRSJA 1380円

受信ソフト

 PCはWindows7(64bit)のノートPCを使用。

 まずはドライバーのZadigをインストール。

Zadig Version 2.2 (2016.01.22)
http://zadig.akeo.ie
インストール参考サイト
http://blog.livedoor.jp/bh5ea20tb-youpapa2/archives/40226092.html

 SDRソフト(音声受信ソフト)はSDR#、SDRradio、HDSDRを試して、3つ共受信できましたが、SDR#が一番感度が良く、総合的に見て一番使いやすかったため、SDR#を使用しています。

 ただ、SDR#は周波数を合わせてから音声が出るまで約5秒かかります。SDR#の周波数表示の右側にあるマークをクリックすると、Free tuning、Sticky tuning、Center tuningが選択できますが、Free tuningにしておくとスペクトルに表示されている周波数帯域内の周波数は選択後にすぐに音声が出ます。

 SDRradio、HDSDRは周波数を合わせてすぐに音声が出ます。SDRradio、HDSDRは細かい設定方法がわからなかっただけで、設定をちゃんとすれば感度や使い勝手が良くなるかもしれません。SDRradio、HDSDRはSDR#よりも使い勝手が良い部分はありました。

 SDRradioでは左の「Frequency Explorer」タブ>「FM」>「FM Stereo」を選択した後、右の「FM Stereo」タブを見ると「RDS」ボタンがあります。これで中国やロシアのFMのRDS放送が復調できるかどうかは、Eスポで受信して実際に試してみないとなんとも言えません。

 各々のSDRソフトの同時使用はできませんでした。

SDR#(SDRSharp) rev 1443
http://airspy.com/download/
インストール、設定参考サイト
http://blog.livedoor.jp/bh5ea20tb/archives/4602692.html

SDRradio V2.3 Release build 2381
http://v2.sdr-radio.com/Software/Download/Download-Kits
インストール参考サイト
http://blog.livedoor.jp/bh5ea20tb/archives/4335526.html
AA5SHのRTL-USBのdll使用 Jan 6th 2013
http://www.aa5sh.com/?page_id=65

HDSDR Version 2.70
http://www.hdsdr.de
インストール参考サイト
http://blog.livedoor.jp/bh5ea20tb/archives/4451748.html
http://blog.livedoor.jp/bh5ea20tb/archives/5034536.html
ExtIO_RTL2832.dll使用
上記インストール参考サイトのリンクからDLできなかったため、下記ページから「RTLSDR (DVB-T/DAB with RTL2832)」「February 04, 2014」のDLLをDL。
http://www.hdsdr.de/hardware.html

 アナログTV映像復調ソフト TV Sharpは最初DL先がわかりませんでしたが、下記サイトからDLできました。TV SharpはSDRソフトとの同時使用はできませんでした。

TV Sharp。DLは「Скачать...」をクリック。
http://rtl-sdr.ru/page/tvsharp-analogovoe-tv-na-rtl-tjunere

グランドウェーブでの受信所感

 SDR#のWFMでの受信で、受信アンテナは広帯域ログペリアンテナ CREATE CLP5130-1、受信地は東京西部です。

 ブースターを通さない場合と、普段ステレオチューナー(ヨーロッパ仕様チューナー SONY ST-SA5ES、日本国内用チューナー SONY ST-SA50ES)に繋いでいるFM・VHF-TV・UHF-TV室内用ブースター 日本アンテナ VTR-331-SPを通した場合について調べました。

(1) ブースターを通さない場合の接続図

CLP5130-1---(FUJIKURA 5D-FB)---同軸切換器 ダイヤモンドアンテナ CX310A---(KYOWA 5D-2V)---F-Pコネクタ---BNC-P/F-J変換コネクタ---MCX-P/BNC-J変換ケーブル---DVB-T+FM+DAB

(2) ブースターを通した場合の接続図

CLP5130-1---(FUJIKURA 5D-FB)---同軸切換器 ダイヤモンドアンテナ CX310A---(FUJIKURA 5C-2V)---ブースター VTR-331-SP---(FUJIKURA 5C-2V)---F-Pコネクタ---BNC-P/F-J変換コネクタ---MCX-P/BNC-J変換ケーブル---DVB-T+FM+DAB

 まず、SDR#のRF Gainを上げた状態では、ブースター無しの場合は76.0〜96.0MHz、ブースター有りの場合は77.5〜96.0MHzに地元の超強力局のイメージ波が出てしまい、やや強力な局(千葉のbayfmなど)以下の局は全てこのイメージ波に埋もれてしまいました。

 そこで、RF Gainをブースター無しの場合は8.7dB、ブースター有りの場合は1.4dBまで下げると、イメージ波がほぼ消え、やや弱いコミュニティFM局なども受信できるようになりました。RF Gainを下げてもイメージ波は完全に消える訳ではなく、所々にいますので、誤認には注意が必要です。


83.2MHz付近〜84.8MHz付近を帯域受信中のSDR#のスペクトル。
RF Gainを上げた状態では地元の超強力局のイメージ波に埋もれてしまい、超強力局の84.7MHz FMヨコハマ以外聞こえません。

RF Gainをブースター無しの場合は8.7dBまで下げると、イメージ波がほぼ消え、やや弱いコミュニティFM局なども受信できるようになります。
83.4, 83.6, 83.8, 83.9, 84.2, 84.4MHzのコミュニティFM局や民放FM中継局の波形が見えます。

★83.4〜84.4MHz コミュニティFM局など

 ここには次のようにやや弱いコミュニティFM局や民放FM中継局が並んでいて良いサンプルになります。RF Gainをブースター無しの場合は8.7dB、ブースター有りの場合は1.4dBまで下げての受信です。

83.4MHz FM Setagaya 東京都世田谷区
83.6MHz TOKYO FM(青梅中継局) 東京都青梅市
83.8MHz 調布FM 東京都調布市
83.9MHz FM HOT 839 神奈川県相模原市
84.2MHz FM西東京 東京都西東京市
84.4MHz FMたちかわ 東京都立川市

 AR5000A+3、IC-R7000、国内用チューナー SONY ST-SA50ES、TV-R7100J(AR5000A+3接続)、TV-R7000J(IC-R7000接続)と比較しましたが、DVB-T+FM+DABの感度はどれよりも劣りました。

 DVB-T+FM+DABはSDR#でWFMではBandwidth(IF帯域幅)を32.551〜250kHzに可変できるので、これを100kHz弱程度に調整すると、ステレオ受信の隣接局の混信(83.8MHz 調布FMと83.9MHz FM HOT 839)において、有利な面はありました。SDR#のBandwidthの可変はスペクトル上でマウスで可変したり、「Radio」の「Bandwidth」に数値を直接入力して可変できます。スペクトル上でマウスを使った可変が大変便利です。

 DVB-T+FM+DABのBandwidthを隣接局の混信を受けず、ステレオ音質が大きく劣化しない97.65kHzにして、この周波数帯で他機種と比較してみました。

モノラル受信(隣接局混信なし)
感度の評価
AR5000A+3≧ST-SA50ES≒TV-R7100J(AR5000A+3接続)>IC-R7000>TV-R7000J(IC-R7000接続)>DVB-T+FM+DAB

モノラル受信(隣接局混信あり)
感度と選択度を総合した聞き易さの総合評価
AR5000A+3(IF帯域幅 110kHz)>TV-R7100J(AR5000A+3接続)>IC-R7000(Wide FM)>TV-R7000J(IC-R7000接続)≧DVB-T+FM+DAB(Bandwidth 97.65kHz)>ST-SA50ES(IF BAND Narrow)

ステレオ受信(隣接局混信なし)
感度とステレオ分離度を総合した聞き易さの総合評価
ST-SA50ES>TV-R7100J(AR5000A+3接続)≒TV-R7000J(IC-R7000接続)>DVB-T+FM+DAB

ステレオ受信(隣接局混信あり)
感度とステレオ分離度と選択度を総合した聞き易さの総合評価
TV-R7100J(AR5000A+3接続)≒ST-SA50ES(IF BAND Narrow)≒DVB-T+FM+DAB(Bandwidth 97.65kHz)>TV-R7000J(IC-R7000接続)

★76.3MHz FMなぎさステーション 静岡県伊東市

 同局は電波が弱いもののステレオで受信できますが、強力な76.5MHzのInterFM897(横浜中継局)のサイド混信を受けやすいという環境下で、受信機器の比較をするのに最適なサンプル局です。

 RF Gainを下げたまま(ブースター無しの場合は8.7dB、ブースター有りの場合は1.4dB)だと感度が悪くてよく聞こえませんが、この周波数だとイメージ波が出る周波数帯の端なので、多少RF Gainを上げてもイメージ波は出ません。調整したところ、ブースター無しの場合は19.7dB、ブースター有りの場合は16.6dBがイメージ波が出ず、ある程度感度も良くなる適切ゲインでした。

 モノラル受信でしたら感度や選択度の良いAR5000A+3やTV-R7100J(AR5000A+3接続)の方が良く聞こえます。経年劣化で感度が落ちたIC-R7000やTV-R7000J(IC-R7000接続)では聞きづらいです。

 ステレオで聞こうとするとTV-R7100J(AR5000A+3接続)ではステレオにならず、DVB-T+FM+DAB(Bandwidth 97.65kHz)がステレオかつInterFM897(横浜中継局)のサイド混信もなく、最も良く聞こえました。以前はST-SA50ES(IF BAND Narrow)でステレオで聞こえていたのですが、近年の経年劣化で選択度が劣化してしまったのか同機では同局はステレオでほとんど聞けなくなってしまいました。


76.3MHz FMなぎさステーション(静岡県伊東市)を受信中のSDR#のスペクトル。
RF Gainは19.7dB。アンテナ方向は伊東市方向。
76.4MHz RADIO BERRY(栃木)、76.5MHz InterFM897(横浜中継局)、76.7MHz TOKYO FM(新島中継局)、77.1MHz 放送大学(東京)の波形も見えます。

★63.17MHz SBSラジオ(静岡放送) STL

 イメージ波が出る周波数帯とは大きく離れた周波数で弱く受信できる局です。この周波数でしたらRF Gainを大きく上げてもイメージ波は出ません。RF Gainを上げた状態で受信比較をするのに最適なサンプル局です。ブースターは76.0MHz〜UHF対応なのでブースターは使用しない場合での受信となります。

 RF Gainを上げてみたところ、RF Gainを最大の49.6dBにしても聞こえますが、40.2dBあたりが聞き易かったです。

 AR5000A+3ではIF帯域幅 110kHz(Wide FMに相当)で弱く聞こえ、IF帯域幅 30kHzや15kHz(Narrow FMに相当)にすると音質は悪くなりますが感度が良くなって聞こえます。

 DVB-T+FM+DABはBandwidth 108.49kHzでかすかに聞こえ、Bandwidth 32.551kHzで音質が悪くなって感度が良くなりますが、Bandwidth 108.49kHz、32.551kHz共にAR5000A+3のIF帯域幅 110kHz、30kHzよりは感度が劣ります。経年劣化で感度が低下したIC-R7000よりは良いですが、AR5000A+3やTV-R7100J(AR5000A+3接続)よりは感度が劣っていました。

Eスポでの受信所感

 5月末〜6月初めにEスポが出ていたのでEスポでの受信に試してみました。SDR#のWFMでの受信で、受信アンテナは広帯域ログペリアンテナ CREATE CLP5130-1、受信地は東京西部です。

 FM放送帯はRF Gainを下げないと超強力な地元FM局のイメージ波に埋もれてしまうので、RF Gainを8.7dBまで下げて受信しました。

 感度はAR5000A+3、日本国内用チューナー SONY ST-SA50ES、ヨーロッパ仕様チューナー SONY ST-SA5ESよりも悪く、やはりこれらの受信機には敵いません。

 しかし、89.8MHzの中国FM局を受信する時に、AR5000A+3はIF帯域幅が110kHzだと超強力な89.7MHzの東京のInterFM897のサイド混信をかぶってしまい(30kHzでもかぶってきました)、15kHzまで下げるとサイド混信は減りましたが、音質が大きく劣化してしまい、何を言っているのかわからない音質になってしまいます。

 ST-SA5ES、ST-SA50ESも同様にInterFM897のサイド混信を受けました。

 その点、DVB-T+FM+DABはBandwidthを自由に可変できるので、InterFM897の混信を避けつつ、音質の良さをある程度維持できる帯域幅に調整することができました。

 Eスポでの受信でも強力な隣接局の混信を避けて受信するのには使えると思います。

 低い周波数の中国TV C1ch音声 56.25MHzなどもAR5000A+3に比べると感度は落ちますが、受信できます。RF Gainを最大49.6dBにしても日本のFM放送帯とは周波数が離れているのでイメージ波は出ません。


2016年6月1日 1057、87.4MHz付近〜89.0MHz付近を受信中のSDR#のスペクトル。
Eスポで入感している中国FM各波がほぼ0.1MHzおきに並んでいます。画像にはありませんがRF Gainは8.7dB。
Bandwidthを100kHz弱程度にすれば隣接局の混信をかぶることなくステレオで受信できます。

2016年6月1日 1034、Eスポで入感している89.8MHzの中国FM局を受信中のSDR#のスペクトル。
すぐ隣りの89.7MHzに超強力な東京のInterFM897がいますが、BandwidthをInterFM897の混信を避けつつ、音質の良さをある程度維持できる帯域幅に狭く調整すれば、サイド混信をほとんどかぶらずにステレオで受信できます。
AR5000A+3、ST-SA5ES、ST-SA50ESにはできない技です。

2016年6月1日 1050、102.6MHz付近〜104.2MHz付近を受信中のSDR#のスペクトル。
102.6MHz〜103.4MHzはEスポで入感している中国FM各波がほぼ0.1MHzおきに並んでいますが、103.5MHz以上は超強力な東京のV-Lowマルチメディア放送i-dioのデジタル電波に潰されています。

2016年6月1日 1055、106.8MHz付近〜108.4MHz付近を受信中のSDR#のスペクトル。
107.35MHz付近以下は超強力な東京のV-Lowマルチメディア放送i-dioのデジタル電波に潰されていますが、107.4MHz〜107.9MHzはEスポで入感している中国FM各波がほぼ0.1MHzおきに並んでいます。
107.4MHzの中国FM局はすぐ下のi-dioのデジタル電波の混信がかぶってくるため、Bandwidthをi-dioのデジタル電波を避けるように狭く調整すると、混信をあまりかぶらずにステレオで受信できます。

2016年5月29日 1353、Eスポで入感しているC1ch 56.25MHz 不明中国TVの音声を受信中のSDR#のスペクトル。
日本のFM放送帯とは周波数が離れているのでRF Gainを最大の49.6dBにしてもイメージ波は出ません。

アナログTV映像復調ソフト TV Sharp使用所感

 TV Sharpは入力した周波数の映像を直接受像して、しかも電波が出ていない周波数や電波が弱い周波数でブルーバックのようなスケルチは出ることはなく、微弱なDX局の受像に適している点が評価できます。

 TV Sharp単体では音声は聞けず、SDRソフトとの同時使用もできないので、TV音声は別の受信機で受信しなければなりません。

 さて、5月下旬にEスポが出ていたので、Eスポで中国のTVを受像してみました。受信アンテナは広帯域ログペリアンテナ CREATE CLP5130-1、受信地は東京西部です。

 中国TV C1chなど低い周波数帯は日本のFM放送帯とは離れているのでGainは最大49.6dBにして問題ありません。

 受信映像はなぜか左→右に同期が乱れますが、Position correctionのAutoにチェックを入れると、ある程度同期の乱れを抑えられます。

 海外向けテレビ JVC CX-60ME(K)やTVコンバーター D-100でTV受像で複数局が混信して入感していると、ビート縞が酷くて見辛くなってしまいますが、DVB-T+FM+DABとTV Sharpの組み合わせではCX-60ME(K)やD-100よりもビート縞が抑えられて見易くなっていました。これは大きな利点だと思いました。

 また、現状では全世界対応のアナログテレビ用マルチテレビを入手するのが困難なため、アナログテレビ用マルチテレビの代用にもなると思います。

 TV Sharpは電波が強くてもカラー受像ができないのは残念ではありますが。


2016年5月29日 1239、Eスポで入感中のC1ch 中国・吉林衛視の映像を受信中のTV Sharpの画面。

 TV Sharpの録画方法はいくつかありますが、私はアマレコTVのデスクトップキャプチャー機能を使ってみました。映像はTV Sharpの受信映像をデスクトップキャプチャーし、音声はAR5000A+3の受信音声をPCのマイク入力から入力して、映像と音声を同時に録画します。

 アマレコTVの動画キャプチャーで使用するシェアウェアソフトのAMVビデオコーデックは無料でも使用できますが、無料ではAMVのロゴが強制的に挿入されてしまいます。私はJVC CX-60ME(K)やD-100で受信した海外TVを録画するのに、別のPCに取り付けたキャプチャーカードで録画していて、この録画にアマレコTVを使っていますが、有料でも使う価値があると思ったので、ライセンスキーを購入してAMVのロゴが入らない動画キャプチャーをしています。ライセンスキーは他のPCでも使えるので、TV Sharpの録画もAMVのロゴが入らない録画ができました。

 次の動画はこの方法でアマレコTVでTV Sharpの受信映像とAR5000A+3の受信音声を同時録画したものです。映像、音声共に混信があって状態は良くありませんが、こんな感じで録画できると受け取って頂ければと思います。

 オリジナルの動画はもう少し画質が良いのですが、シェアウェアのAMVビデオコーデックがないと再生できないため、画質は少し落ちますがH.264のMP4ファイルにエンコードしたものを紹介します。
(左側のキャプチャー範囲を少し大きく取り込んでしまい、左側にTV Sharpの枠が少し映ってしまっています)

2016年5月29日 1259〜1301 C1ch 中国・中央電視台-1&吉林衛視 Eスポ受信

SDR#の録音機能

★帯域録音

 受信中に「Recoding*」の「Baseband」にチェックを入れて「Record」を押すと、「Configure Source」の「Sample Rate」で設定した帯域幅の帯域録音ができ、「sdrsharp-x86」フォルダ内に「SDRSharp_(年月日)_(時分秒)Z_(周波数)Hz_IQ.wav」というファイルが生成されます。時間はUTCです。「Source」から「IQ File (*.wav)」を選択してこのファイルを開き、「Start」を押すと帯域録音された音声がループで再生されます。

 この帯域録音されたファイルは再生しながら自由に周波数を選択したり、Bandwidthを可変できますので、受信時に聞けなかった周波数を選択して帯域を調整して聞くことができます。

 なお、帯域録音をしている最中に周波数を動かして「Sample Rate」で設定した帯域幅の外側に周波数を移動すると、移動先の周波数の帯域録音もそのままされていますが、これを再生すると周波数表示は最初に受信していた周波数表示のまま変わらないため、移動先の周波数がわからなくなります。

 この「〜IQ.wav」ファイルはPCの普通のプレイヤーで再生しても正常再生ができません。

★音声WAVファイル録音

 受信中に「Recoding*」の「Audio」にチェックを入れて「Record」を押すと、受信して聞いている音声がそのまま録音され、「sdrsharp-x86」フォルダ内に「SDRSharp_(年月日)_(時分秒)Z_(周波数)Hz_AF.wav」というファイルが生成されます。時間はUTCです。これは受信している音声がそのまま録音されているので、受信中に周波数を動かしたり、Bandwidthを可変したものがそのまま録音されます。

 この「〜AF.wav」ファイルはPCの普通のプレイヤーで再生できます。

 上述の帯域録音されたファイルを再生しながら「Recoding*」の「Audio」にチェックを入れて「Record」を押すと、その再生している音声がそのまま録音されるので、帯域録音されたファイルから任意の周波数を選択してBandwidthを可変したものを録音するのに便利です。

★その他

 私のPCだけかもしれませんが、SDR#の録音機能はDropを吐いて録音が止まってしまうことが多いです。

その他

 時間経過による受信周波数変動はグランドウェーブでFM局を受信をしている限りでは感じていません。

 長時間使用していると本体が熱くなる現象は確認しましたが、思ったほど熱くならず、シャフトコーポレーションのチューナー専用放熱プレート+小型ヒートシンク搭載キットは、このチューナーを頻繁に使うようであれば「あって安心」かと思いますが、私は後述のように現在使っている他機器の方が良い結果となり、頻繁に使うこともなさそうなので、現状では購入は保留中です。

総合所感

 総合的に見てAR5000A+3やIC-R7000よりも性能は劣り、FMステレオ受信でもステレオチューナー ST-SA50ES、ST-SA5ESやTV-R7100J(AR5000A+3接続)、TV-R7000J(IC-R7000接続)よりも総合的には性能は劣ります。イメージ波が出易いので、受信周波数、受信状況に応じたRF Gainの調整が必要です。

 しかし、DVB-T+FM+DABは、(1)SDR#のWFMでBandwidthを調整して隣接局の混信を避けたFMステレオ受信や音質維持受信ができる、(2)TV Sharpでの受像で普通の海外向けテレビよりも見易い場合があり、現在入手困難なアナログテレビ用マルチテレビの代用にもなる、(3)帯域録音ができてあとで聞き直すことができる(私のPCではなぜかDropを吐いて止まってしまうことが多いですが)、のでこれらは評価できると思います。

 これらの評価できる使い方や、安価で広帯域受信、FMステレオ受信したい方には良いと思いますが、イメージ波による誤認には十分な注意が必要だとも思いました。


All reported by "Konsu"
in Tokyo, JAPAN


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