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WEST TOKYO TV-FM DX

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ステレオチューナー SONY ST-SA5ES、ST-SA50ESが修理から到着

2021.04.10 掲示板投稿の移植版
2021.08.27 UP

「追記事項」 2023.05.07 UP、2024.01.06 UP


DXに使用している下記ステレオチューナー2機種が数年前~最近にかけて故障個所が出ていましたが、特にヨーロッパ仕様のST-SA5ESは修理に出しても直るかわからず、費用もいくらかかるかわからないので、騙し騙し使っていましたが、今回2021年3月~4月に思い切って修理に出しました。

ヨーロッパ仕様 SONY ST-SA5ES
日本国内仕様 SONY ST-SA50ES

この2機種はSONYでは既に修理対応が終了しています。
SONYのサイトで型名を入力すると修理の可否が確認出来ます。
https://www.sony.jp/support/repair/repair_price_online.html

数年前にSONYに電話で聞いた時も修理は出来ないと修理拒否され、修理をするなら修理を扱っている会社か個人にお願いするしかありません。

数年前に成田さんからメーカーから修理拒否された古いオーディオ機器の修理を扱っている会社を教えて頂き、今回改めて色々と調べたところ、次の2社様が候補として残りました。

港北ネットワークサービス株式会社
http://k-ns.jp/

S.labo
https://slabo-e.jp/ (個人)

前もって両社様にメールで故障内容を伝え、修理の可否、おおよその修理料金をお尋ねしたところ、両社様共、翌日に大変丁寧なお返事メールがあり、どちらも修理は可能、おおよその修理料金は全く同じでした(15000~20000円)。

今回はヨーロッパ仕様のST-SA5ESという特殊な機器があるのが不安だったので、ホームページトップでオーディオ機器の修理サービスを国内製、海外製、自作問わず、修理、改造を請けたまわっていると書かれている港北ネットワークサービス様にお願いすることにしました。

なお、S.labo様も大変丁寧で詳しいお返事内容で信頼出来そうなことを書いておきます。

港北ネットワークサービス様の修理サービスの流れです。
http://k-ns.jp/repair/repair_order.html

今回の私の場合の流れです。
2021年3月16日 ヤマト宅急便で修理品発送
3月17日 先方到着
3月18日 先方から調査結果と見積もりのメール到着
(この間に修理内容について1回メールでやり取りあり)
同日 当方から修理お願いのメール送付
3月19日 先方から修理スタートのメール到着
4月8日 先方から修理完了、修理代金のメール到着
同日 修理代金を銀行振り込みで送金
同日 先方から発送予定のメール到着
4月9日 先方から修理完了品発送
4月10日 ヤマト宅急便で修理完了品到着

故障内容と修理内容は次の通りです。

◎ヨーロッパ仕様 SONY ST-SA5ES

<<故障内容>>
2017年12月から周波数ズレが起こっていました。
同機は2005年3月にドイツのeBayで中古品を購入、輸入し、翌年2006年5月には周波数ズレが起こり、日本のSONY(修理明細書によるとソニーイーエムシーエス株式会社)で修理してもらいました。
2006年5月の修理明細書による交換部品・補充部品。
チェンコイル 数量:1 故障状態:劣化
バックアップヨウ コンデンサー 数量:1 故障状態:劣化
今回同じ症状が起こりました。
<<修理内容>>
修理完了品に同梱されていた修理報告書から抜粋
不具合箇所
①再現しました。測定器から89.70MHzの信号を入れると、89.75MHzで同調します。(50kHzズレ)
②測定している中で、セパレーション特性が極端に悪いのが分かりました。(20dBくらい)

修理及び作業内容(カラー写真入り)
①同調用コイルの調整がズレていました。今回の場合、同調コイルを再調整する範囲内でした。
(Sonyでは当時在庫があったのでコイルを交換したと思います)
この同調用コイルは内蔵のコンデンサーの容量が年数と共に少しずつ変化するため、同調点がズレて再調整が必要になります。特に欧州向けのモデルは周波数ステップが50kHzと狭いため、少しズレただけで隣の±50kHzの周波数へ同調点が移動してしまい、条件が厳しいです。例えば89.00MHzの放送を受信したとき、同調点が+30kHzズレていると、隣の89.05MHzが同調点となってしまいます。日本のモデルですと100kHzステップですので、少なくても50kHz以上ズレないと表示は89.0MHzのままですので、ズレは感じにくくなります。
(写真)(コイルの真中にあるコアを回して再調整しました。このコイルは交換した跡があります。)

②セパレーションが悪い原因は、ステレオパイロット信号をキャンセルする半固定抵抗の足が一つハンダ付け不良でした。修正後はセパレーションは44dBくらいになりました。

③全体を再調整しました。

その他(カラー写真入り)
上記でご説明したように、同調コイルの同調点は経年劣化がありますが、電源を入れたときからも少しずつズレて行きます。(温度ドリフト) 当セットは暫く電源を入れ、エージングした後に同調点の調整をしました。そのため一番条件が厳しい、電源を入れた直後のズレを何度も確認しましたが、特に問題になるズレはありませんでした。
(使用した測定器)
・Panasonic FM/AM STEREO発生器 VP-8121A
・Panasonic オーディオアナライザ VP-7223A
・岩通シンクロスコープ TS-8500

◎日本国内仕様 SONY ST-SA50ES

<<故障内容>>
2019年秋頃からチューニングダイヤルが重くなり、2021年1月頃からはチューニングダイヤルを回すと受信周波数が高い方に行ったり低い方に行ったりして正常に変化しなくなりました。
これが今回ST-SA5ESと一緒に修理を出すきっかけでした。
<<修理内容>>
修理完了品に同梱されていた修理報告書から抜粋
不具合箇所
①再現しました。ダイアルが重い。
②ダイアルを回してもスムーズに変化しませんでした。

修理及び作業内容(カラー写真入り)
①電気仕様が同等と思われるロータリーエンコーダに入手し動作確認したところ、UP/DOWNの基本動作は問題ありませんでしたが、ダイヤルを取り付けたところ、ガタが多い(グラグラしている)ため使用を断念しました。他のメーカーの部品も同じ構造のため、最終的にはオリジナルの部品を分解して対応しました。ダイヤルが回らない原因は軸の間のグリース?が固まるか、ゴミ?が入り込んだためと思われます。洗浄後スムーズに回るようになりました。

②再調整しました。当モデルも同調点が少しずれていました。

その他(カラー写真入り)
合計24時間受信し、音出しエージングをして問題ないことを確認しました。
(使用した測定器)
・Panasonic FM/AM STEREO発生器 VP-8121A
・Panasonic オーディオアナライザ VP-7223A
・岩通シンクロスコープ TS-8500

故障内容と修理内容ここまで。

修理費用
ST-SA5ES 16500円
ST-SA50ES 16500円
送料 1500円
合計(税込) 34500円

実際にかかった費用にはこれに当方から先方へ送ったヤマト宅急便の料金1550円が加わります。

各々4月11日~5月11日(同一箇所)の修理保証書が付いています。

今日午前に修理完了品が届いて早速シャックに戻したところ、2機共、元通りになっており、大満足です。

最初に書いた修理費用がいくらかかるかわからないので騙し騙し使っていたというのは、1台あたり3万円くらいかかるものと思い込んでいたので二の足を踏んでいたためで、上述のようなこのくらいの費用でしたら、もっと早く修理に出すべきでした。
ヨーロッパ仕様のステレオチューナーはもう1台、KEWOOD KT-6040があり、ST-SA5ESが故障している間はKT-6040を使用していましたが、やはり音質はST-SA5ESが抜群に良いです。

以上、長くなりましたが修理完了報告でした。
皆さんのご参考になれば幸いです。


転載元
WEST TOKYO TV-FM DX BBS Past Log 2021.01-06
http://konsu.sakura.ne.jp/bbspastlog/133.html


追記事項
★2023.05.07 ST-SA5ESの同調コイルの同調ズレを再調整しました

ヨーロッパ仕様ステレオチューナー SONY ST-SA5ESが再び同調ズレを起こしているのに2023年3月頃に気付きました。

例えば89.7MHzのinferfmにダイヤルを合わせてもステレオにならず、89.75MHzに合わせるとステレオになるという状況です。

上記の2021年修理の際の港北ネットワークサービス様の修理報告書に同調コイルのコアを回して再調整する方法と、目的の同調コイルの写真が載っていました。この方法で再調整をして、ハード面が苦手な私でも自力で同調ズレを直すことが出来ました。

手持ちのマイナスドライバには同調コイルのコアに合うドライバがありませんでしたが、父の遺品の中から精密ドライバ6本セットを見つけ、その中の幅1.6mmのマイナスドライバが同調コイルのコアにピッタリはまり、調整をすることが出来ました。

非常に丁寧な修理報告書を作成して下さった港北ネットワークサービス様と、精密ドライバを残してくれた父に感謝です。

画像の赤丸が目的の同調コイルです。



(2023.05.07 UP)

★2023.12.30 ST-SA5ESの同調コイルの同調ズレを再度再調整しました

ヨーロッパ仕様ステレオチューナー SONY ST-SA5ESが再び同調ズレを起こしているのに2023年12月中旬に気付き、2023年12月30日に上記と同じ要領で再調整をしました。

これまでの流れです。
2005年3月23日:海外オークション落札中古品到着
2006年5月:周波数ズレ発生
→2006年6月17日:SONYから修理到着
2017年12月:周波数ズレ発生
→2021年4月10日:港北ネットワークサービス様から修理到着
2023年3月頃:周波数ズレ発生
→2023年5月7日:自力で調整
2023年12月中旬:周波数ズレ発生
→2023年12月30日:自力で調整


All reported by "Konsu"
in Tokyo, JAPAN