TV-FM DX Report 2020.07 2020.07.28 UP


[受信情報]

◆Eスポによる受信

■フィリピン

●City 2 Television…81.2AMHz
 1983年4月26日(火曜), 1902〜1954 f/out, 音声のみ。
 37年前の1983年に受信した不明フィリピンTV音声がこの度City 2 Televisionと確認出来たので報告する。
 81.2AMHzはA2ch TV音声 59.75AMHzのイメージ受信と思われる。59.75+21.4=81.15。1983年当時の受信機器はNational RF-B30(FMは76.0〜108.0MHz)+内蔵ロッドアンテナで、本波の59.75AMHzは受信することが出来なかった。
 受信当時から周波数と入感状況(同時に1910頃 f/outまで江蘇、浙江、福建、沖縄のFMが入感、直前の1900頃まで福岡、長崎、鹿児島、広島、島根のFMが入感)から、フィリピンのA2ch TV音声(規定の音声周波数は59.75MHz)が21.4MHz高い周波数で受信出来るイメージ受信と考えていた。
 受信当時から最近までは受信中に出ていたスポットが"Now セリブン Television ..."、ジングルが"CBQ"のように聞こえるものの、該当する局が無いため長年不明局のままだった。
 ManilaのA2chは1972年までABS-CBNが使用していたが、1972年にマルコス元大統領による戒厳令で政府に押収され、1973年〜1986年にはBanahaw Broadcasting Corporation(BBC)として放送しており、その後、1986年のピープルパワー革命(エドゥサ革命)でABS-CBNに返還された。最近になってこのBanahaw Broadcasting Corporation(BBC)のWikipediaの記事 < https://en.wikipedia.org/wiki/Banahaw_Broadcasting_Corporation > を見ていたところ、BBC-2は1980年〜1984年にはCity 2 Televisionにブランド変更されていたことを知った。
 これだと思い、当時の受信音を聞き直してみた。
1983年4月26日1902〜。0:26〜スポット、0:37〜ジングル。
http://konsu.sakura.ne.jp/sound/city2television_19830426_1902_812AMHz.mp3
 すると上述のスポットは局スポットで"Now City Two Television ..."(詳細後述)、ジングルはSJで"City Two"と出ているのが確認出来た。SJは下記のYouTubeにある同局のID動画と一致していた。0:17〜の部分。
BBC-2 City2 Television station ID 1982 (now ABS-CBN 2) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=pTbsfOwMOEs
 正直フィリピン局特有の訛りと音質で局スポットの局名は"City Two Television"に聞こえない気もするが、SJがYouTubeの動画と一致するので同局に間違いないのだろう。
 受信内容詳細は次の通り。言語はフィリピン語、英語。
 不明トーク(女声)の後、1902に局スポット(男声)が"Now City Two Television broadcasts non stop for twenty four セレブ hours Fridays and Saturdays, and telecast for twenty big hours at four AM(?) the rest of the week."、SJ(男女声)が"City Two"と出た。
 その後、1902にトーク(次の番組案内(?)。男声)、1902〜音楽、1905〜CM(SANYOなど)があり、1907〜はドラマとなった。
 ドラマの途中、1914〜1915にCM(?)、1915に局スポット(女声)"セリブン Television ... Friday and Saturday Two PM."、1924〜1926にCM、1926に局スポット(1915と同内容)、1934〜1935にCM(SANYOなど)、1935に局スポット(1915と同内容)、1944〜1945にCM、1945に局スポット(1915と同内容)があった。
 1915などの局スポットは当時の受信ログにこのように書いており、恐らく"City Two Television ... Friday and Saturday Two PM."と思われるが、この局スポットの受信音は残っていないため断定することは出来ない。
 低い周波数帯が受信可能な受信機 JIL 日産電子 SX-200(26〜88, 108〜180, 380〜514MHz。Wide FM改造済)を入手してからはEスポでA2chで1986年にBBC2、1987年にはABS-CBNを受信確認している。
 なお、上述のBanahaw Broadcasting Corporation(BBC)のWikipediaによると、BBCは1986年3月20日に運用終了し、1986年7月16日にBBCが使用していたラジオとテレビの周波数がABS-CBNに返還され、ABS-CBNは1986年9月14日に放送を再開したとあるが、当時の受信記録を見ると1986年のEスポシーズンには5月17日〜7月13日の間には私を含め複数のBCL/DXerによってA2chで"BBC Two","BBC"の局名が受信確認されており、少なくともこの間はBBC2/BBCを名乗っていたことになる。Eスポで私がA2chでABS-CBNの局名を初確認したのは1987年5月25日。

[受信以外の情報]

■日本

●地上デジタル放送の高度化(4K・8K)に向けた実証実験(地デジ4K8K実験試験局)の電波発射スケジュール続報
 TV-FM DX Report 2020.06に報告した以降、地デジ高度化実験受信対策センターのサイトに掲載されている地上デジタル放送の高度化(4K・8K)に向けた実証実験の電波発射スケジュールで、7月のスケジュールが下記の通り追加、修正されている。2020年7月15日閲覧。
 原則土日祝日除く。変更がある場合はその都度お知らせ。
◎東京都港区 UHF28チャンネル(560〜566MHz)
7月6日(月)〜7月10日(金) 1kW(定格出力) 1000〜1800
7月27日(月)〜7月31日(金) 1kW(定格出力) 1000〜1800
8月1日以降の予定は調整中。日程が決まり次第お知らせ。
◎名古屋市昭和区 UHF35チャンネル(602〜608MHz)
当面電波発射予定無し。日程が決まり次第お知らせ。
◎愛知県弥富市 UHF35チャンネル(602〜608MHz)
当面電波発射予定無し。日程が決まり次第お知らせ。
◎大阪府東大阪市 UHF19チャンネル(506〜512MHz)
6月23日(火)〜7月3日(金) 1kW(定格出力) 1000〜1800
7月6日(月)〜7月10日(金) 500W(減力) 1000〜1800
7月13日(月)〜7月17日(金) 1kW(定格出力) 1000〜1800
7月18日以降の予定は調整中。日程が決まり次第お知らせ。
◎福岡市早良区 UHF51チャンネル(698〜704MHz)
7月以降は調整中。日程が決まり次第お知らせ。
地デジ高度化実験受信対策センター
http://tvkoudoka.jp/
地デジ高度化実験受信対策センター 電波発射のスケジュール
http://tvkoudoka.jp/schedule.html

■フィリピン

●ABS-CBNの復活は絶望的か
 TV-FM DX Report 2020.05に報告したようにABS-CBNはNational Telecommunications Commission(NTC)からの放送停止命令に従って5月5日に全国の地上波TV局、中波ラジオ局、FMラジオ局を放送停止したが、その後、ABS-CBNが求めていた25年間の新規放送権利申請が下院で拒否され、ABS-CBNは8月31日付で多くの従業員を解雇するとのこと。ニュース記事を引用する。
◎Several issues led to denial of ABS-CBN franchise bid: House body
----- 原文英語のDeepL日本語訳を一部引用ここから -----
 いくつかの問題がABS-CBNフランチャイズ入札の否決につながった。ハウスボディ
 下院の立法フランチャイズ委員会は金曜日、メディア大手ABS-CBN Corp.の25年間の新規フランチャイズ申請を拒否した。
 パラワンのFranz Alvarez議員が議長を務める同委員会は、フィリピンでラジオ局と放送局を建設、設置、設立、運営、維持するABS-CBN Corp.のフランチャイズ申請を拒否する決議を承認した。
----- 一部引用ここまで -----
Philippine News Agency 2020年7月10日
https://www.pna.gov.ph/articles/1108624
◎ABS-CBN to lay off workers effective August 31
----- 原文英語のDeepL日本語訳を一部引用ここから -----
 ABS-CBN、8月31日付で従業員の解雇を実施
 ABS-CBNの従業員の多くが8月31日に職を失うことになり、同ネットワークは議会のフランチャイズを持たずに放送を停止することになる。
 「議会のフランチャイズが更新されないため、ABS-CBNは一部の事業を停止し、2020年8月31日の営業終了日にABS-CBNとその子会社を対象とした人員削減プログラムを実施せざるを得なくなった」とメディア大手は水曜日の声明で述べている。
----- 一部引用ここまで -----
CNN Philippines 2020年7月15日
https://cnnphilippines.com/news/2020/7/15/ABS-CBN-shutdown-retrenchment-.html

■NHK放送文化研究所 放送研究と調査より

▽2020年7月号
●比大統領と対立の商業放送最大手が放送停止
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/focus/f20200701_8.html


(S)=ステレオ受信 (M)=モノラル送信 (C)=カラー受像
TV受信周波数:映像周波数/音声周波数の順

主な略語
s/on=放送開始(sign on) s/off=放送終了(sign off)
c/on=電波送信開始(carrier on) c/off=電波停波(carrier off)
f/in=フェードイン(fade in) f/out=フェードアウト(fade out)
b/out=block out(他局の電波に潰されること)
ID=局名告知アナウンス SJ=ステーションジングル


All received and reported by "Konsu"
in Tokyo, JAPAN
with
RX : AOR AR5000A+3, ICOM IC-R7000, SONY ST-SA50ES ( For Japan ), SONY ST-SA5ES ( For Europe ), KENWOOD KT-6040 ( For Europe ), SONY ICF-SW7600GR
TV set : JVC CX-60ME(K) ( For overseas ), SONY KV-AR142M80 ( Multi system )
TV converter : HS PUBLICATIONS D-100<DE-LUXE>
TV recorder : KUROUTOSHIKOU SAA7135-STVPCI/R ( Capture board )
ANT : CREATE CLP5130-1
Booster : Nippon Antenna VTR-331-SP ( For ST-SA50ES, ST-SA5ES, KT-6040 )
Option - TV/FM Adapter : ICOM TV-R7000J, ICOM TV-R7100J ( For recovery of FM stereo of IC-R7000, AR5000A+3 )
Option - Text display unit : SONY CTD-S100 ( For recovery of FM multiplex telecasting of ST-SA50ES )

情報を転載・引用する際には「WEST TOKYO TV-FM DX」の"こんす"の情報である旨を明記して下さい。


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