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TOP > Special Reports > AOR AR5000A+3、AOR AR5000の修理経緯 2022年6月~2023年1月編
2023.01.22 UP
2021年3月~4月にメイン受信機のAOR AR5000A+3を修理に出したことは「AOR AR5000A+3が修理から到着」(2021.08.27 UP)に書きました。
その後、2022年6月~メイン受信機のAOR AR5000A+3とサブ受信機のAOR AR5000を修理に出しました。皆さんの参考と自分の備忘録用にその経緯を報告します。
両機共、2022年6月下旬現在、AORのサイトに「部分修理可能(お問合わせください)」と書いてあり、AORで修理を受け付けていました。
https://www.aor.co.jp/repair/
Eスポシーズン真っ盛りでしたが、いつ両機の修理が打ち切られるかわからず、ICOM IC-R7000の修理が打ち切られた時のトラウマがあり、この機会に両機を修理に出すことにしました。
事前にAORさんにメールで問い合わせて、「AR5000およびAR5000A+3は部品修理対応となりまして、修理受付は可能ですが、保守部品在庫の関係で必ず修理できる保証がありませんので予めご了承ください」とのお返事があり、この条件付きながら修理に出しました。
AR5000A+3とAR5000でその後の状況が異なる結果となりましたので、各々別々に報告します。
修理の流れ。
2022年6月30日 ヤマト宅急便で修理品発送
7月1日 AORさん到着
昼前にAORさんから修理品を見た内容と修理費用の概要の電話
7月15日 AORさんから修理完了品発送
夕方にAORさんから修理完了品を発送した旨と、送り状番号、修理費用のメール
7月16日 ヤマト宅急便の宅急便コレクト(代金引換払い)で修理完了品到着
その場で修理代金+送料+代引き手数料をヤマトに支払う
故障内容、修理内容、修理費用は次の通りです。
7月1日にAORさんから電話があり、修理品が届き症状を見たところ、①の無音の電波のようなものは先方では症状を確認できなかったとのことでした。②の全体的な点検はして頂けるとのことでした。
①に列記した周波数のうち、101.6MHzは電波(?)強度が強く、他の受信機でも受信でき、Eスポ受信時の障害になっていました。
AORさんから現象を再現できなかったとの電話連絡に基づき、数日後の7月上旬、ポータブルラジオ TECSUN PL-398MPで101.6MHzの電波(?)強度を調べると、受信機器シャックから離れると電波(?)が弱まるのに気付き、国内仕様ステレオチューナー SONY ST-SA50ESと、そのオプション品で「見えるラジオ」などのエフエム文字多重放送を復調するテキストディスプレイユニット SONY CTD-S100に近づけた時に最も電波(?)強度が強くなるのに気付きました。
CTD-S100が怪しそうで、CTD-S100は電源をOFFしても待機状態になるだけで内部に電気は通っているようで、電源をOFFしても101.6MHzの電波(?)強度は変わりません。そこで、CTD-S100の電源プラグを抜いてみると、ビンゴ!、PL-398MPで受信していた101.6MHzの電波(?)が跡形もなく消え去りました。
CTD-S100はTOKYO FM 80.0MHzのエフエム文字多重放送「見えるラジオ」が2014年3月31日に終了してからは飾りになっていました。何度か受信機器シャックから外そうと思った機会がありましたが、それまでにSAVEしたEスポで受信した「見えるラジオ」などをたまに見たいがためにそのままにしていました。まさかCTD-S100が内部発振の電波(?)の発信源だったとは予想外でした。
CTD-S100は1998年に購入したもので、以前は101.6MHzに内部発振の電波(?)は出ていませんでしたので、経年劣化により、数年前から内部発振の電波(?)を発信していたものと思われます。CTD-S100はもう受信機器としては使用していませんので、プチプチで包んで押し入れ行きとなったのは言うまでもありません。
①に列記した101.6MHz以外の電波(?)もCTD-S100が発信源の可能性がありますが、これはAR5000がAORさんから戻ってきたら調べてみることにしました。
修理内容 修理結果: ①弊社サービス課での検証、診断長時間のランニングテストにおいて無音の電波を受信する様なことは発生せず総合点検致しました。 ②その総合点検にて液晶表示の中に小さなゴミが入っていたのでパネルエスカッションをはずしたらCPU基板上のJ1コネクタの配線がパネル樹脂に挟まってダメージしていたのを修理いたし、その他全基板の取り付けネジ(グランド)を増し締めしTCXOのキャリブレーション、ダイアルシャフトの修正、感度計測にて良好な動作を確認致しました。 |
上述のように、故障内容①の電波(?)の原因はCTD-S100でした。
押し入れ保管行きになっていたCTD-S100を出して元の状態に戻し、故障内容①の電波(?)を再現しようとすると、最も強力な101.6MHzすら受信出来ません。故障内容①に列記した周波数のうち受信できたのは98.8MHzだけでした。電源を抜いてから日にちが経ち、CTD-S100からの内部発振の電波(?)は出なくなったのでしょうか? 原因がCTD-S100であることは間違いありませんのでCTD-S100は再び押し入れ保管に戻りました。
結果として、故障内容①は修理に出す必要は無かったわけですが、②の総合点検をして頂いたので、これでよしとしています。
なお、修理から戻ってきてメモリは消えずにそのまま残っていました。設定が変わっていたのはVFOのVAとVEの設定(周波数ステップ、受信モードなど)が変わっていた程度です。
その後は特に問題は発生していません。
修理の流れ(上述のAR5000と同梱発送のため内容は同じです)
2022年6月30日 ヤマト宅急便で修理品発送
7月1日 AORさん到着
昼前にAORさんから修理品を見た内容と修理費用の概要の電話
7月15日 AORさんから修理完了品発送
夕方にAORさんから修理完了品を発送した旨と、送り状番号、修理費用のメール
7月16日 ヤマト宅急便の宅急便コレクト(代金引換払い)で修理完了品到着
その場で修理代金+送料+代引き手数料をヤマトに支払う
故障内容、修理内容、修理費用は次の通りです。
修理内容 修理結果: ①サブダイヤルエンコーダを交換。 ②その他、総合点検の一環で全基板の取付ネジの増し締め、各部の電源電圧確認、TCXOのキャリブレーション、メインダイアルエンコーダーシャフトの修正、受信感度計測にて良好な動作を確認致しました。 |
故障内容①のサブダイヤルエンコーダーは交換して頂きました。AR5000と比べると若干のグラつきがまだありますが、最初に6月30日に修理可否の問い合わせをした時に、メールで「新品でも少々のがたつきはあります」との返答がありましたので、許容範囲内となるようです。
ところが別の問題が発生し、最初に同機でFM放送の80.0MHz TOKYO FMを受信していたところ、突然ディスプレイに「PLL-ERR」の文字が出て、音が無音になる症状が起きました。
POWERボタン(電源ボタン)を押して電源OFF→電源ONにしても無音になります。ダイヤルを回すと80.0MHz(TOKYO FM)や81.3MHz(J-WAVE)など電波が強力なFM放送が出ている周波数ではSIGNALメーターが振れるので、電波は受信しているようですが、音が出ません。
数回試すと、POWERボタンを押して5秒以上電源OFF状態にしてから再度電源ONにすると正常に音が出ることがわかりました。電源OFF状態が5秒未満から再度電源ONにすると音は出ません。
また、数時間電源OFF状態にしてから電源ONにした場合、音が出ますが、しばらくしてから「PLL-ERR」の文字が出て無音状態になり、その後は上記と同じ症状になりました。
これは修理に出す前は起きていなかった不具合です。
なお、AR5000同様、修理から戻ってきてメモリは消えずにそのまま残っていました。設定が変わっていたのはVFOのVAとVEの設定(周波数ステップ、受信モードなど)が変わっていた程度です。
1回目の修理から戻ってきたAR5000A+3に、上述のように修理に出す前は起きていなかった新たな不具合が起き、修理到着日の7月16日とその翌日7月17日午前まではこの不具合が起きていましたが、その後、7月17日午後・夜、7月18日は起きなくなりました。
不具合が直ったのかどうかわからないため、AORさんにメールで問い合わせてみたところ、取り合えず不具合の検証をしたいのでヤマト宅急便の送料着払いで送ってほしいとの返答がありましたので、AR5000A+3を再度修理に出すことにしました。
AORさんでは30日以内に同一箇所の故障が発生した場合は無料で再修理をしてくれます。今回の場合は同一箇所ではありませんが、修理に出す前は起きなかった不具合でしたので、無料で修理して頂けるのかもしれません。
2回目の修理の流れ。
7月19日 AORさんにメールでご相談
同日 不具合の検証をしたいのでヤマト宅急便の送料着払いで受信機を送ってほしい旨のメールのお返事
同日 ヤマト宅急便の着払いで修理品発送
7月20日 AORさん到着
8月3日 AORさんのサイトに原則として10営業日以内に修理品を返送すると書いてあるものの、音沙汰なかったためメールで問い合わせ
8月4日 現在の調査状況と調査に時間がかかっている旨のメールのお返事
9月21日 AORさんから修理完了品発送
夕方にAORさんから修理完了品を発送した旨と、今回は全作業修理費用は再修理扱いにしたため無料修理の旨のメール
9月22日 ヤマト宅急便で修理完了品到着(無料修理のため支払いなし)
故障内容、修理内容、修理費用は次の通りです。
修理内容 修理結果: ①②③項目の不具合はPLL-VCO回路関連に起因しているが相当量の単品部品を交換するものの、原因がつかめずPLL基板ASSYをそっくり交換、調整し、再度ランニングテストを致し再現しない事を確認致しました。 ④サブダイヤルエンコーダをセレクトしてガタつきの少ない部品に交換致しました。 |
修理から戻ってきたAR5000A+3の動作テストをしてみると、やはり電源OFF→電源ONを短時間(5秒未満)で行うと、約5割の割合で電源を入れても音が出ない症状が起きていました。
具体的には、電源OFF→電源ONを短時間(5秒未満)で行うと、約5割の割合で次の(A)か(B)の現象が起きます。
(A)音が出ず、SIGNALメータも振らず、約10秒後にディスプレイに「PLL-ERR」の表示が出る。
(B)SIGNALメータは振っているが、音が出ない。
電源OFF→電源ONの間隔を5秒以上間隔を空けて行うとこの現象は起きません。
またこの症状はAR5000A+3をその日初めて電源をつけた際には起こらず、2時間程度電源をつけっぱなしにした以降に起こります。
折角長い日数をかけて再修理をして頂き、最終的にはPLL基板ASSY(48000円するそうです)ごと交換して頂き、これを往復送料含めて無料でして頂いたAORさんには感謝の言葉しかありませんが、ユーザーとしては直らなくてはどうしようもないもどかしさがありました。
基盤ごと交換になった訳ですが、受信感度、選択度などは以前と変わりないような気がしました。
なお、前回同様、周波数メモリは消えずにそのまま残っており、設定が変わっていたのはVFOのVA、VD、VEの設定程度でした。
再々修理についてAORさんにご相談のメールを送ったところ、お返事があり、「再度、修理をさせて下さい。発生の原因が考えられない想定外の電子回路かもわかりません。それも考慮に入れて再度、チャレンジ致します」とのことで、先方のご指定通りにヤマト宅急便の着払いでAORさんに再びAR5000A+3を送りました。
それにしても真摯に修理に対応してくださるAORさんの誠意には頭が下がり、感謝するばかりです。
3回目の修理の流れ。
2022年9月22日(連休前日) AORさんにメールでご相談
9月26日(連休明け) 再度修理をさせて欲しいのでヤマト宅急便の送料着払いで受信機を送ってほしい旨のメールのお返事
9月27日 ヤマト宅急便の着払いで修理品発送
9月28日 AORさん到着
12月29日(年末年始休初日) その後音沙汰がなかったためメールで問い合わせ
2023年1月6日(年末年始休明け。連休前日) 現在の調査状況と、修理品とAORさんがランニングテストに使用しているACアダプターを送るので当方宅でテストして頂きたい旨のご提案のメールお返事
同日 テストしたいので修理品とACアダプターを送ってほしい旨のメール送付
1月10日(連休明け) AORさんから修理品とAORさん貸与のACアダプター発送
1月11日 ヤマト宅急便で修理品とAORさん貸与のACアダプター到着(無料修理のため支払いなし)
1月16日 数日間、当方宅でテストをして不具合が出ず修理品は直っている模様の旨をメールで送付
同日 報告のお礼とAORさん貸与のACアダプターの返送方法のメールのお返事
1月18日 AORさん貸与のACアダプターをヤマト宅急便の送料着払いで発送
1月19日 AORさんにAORさん貸与のACアダプター到着
故障内容、修理内容、修理費用は次の通りです。
修理内容 修理結果: 3か月間ほぼ毎日(週5日)ON-OFFテストをしましたが、一度も症状が再現せず今日に至り、再度こちらからの提案でテストに使用した、ACアダプターをお客様の場所で使用して頂く事でご承認いただき返却致します。返却に当たり、受信感度計測にて良好な動作を確認致しました。 |
2022年9月下旬にAR5000A+3を送ってから音沙汰がなかったため、12月下旬にメールで問い合わせると、年末年始休み明けの2023年1月上旬にメールでお返事がありました。
AORさんの担当者さんによると、2022年9月にお預りしてから不具合再現確認の為、3か月間ほぼ毎日電源のON-OFFを続けて来ましたが、再現せず試案にくれているとのことでした。
そして、AORさんで修理品のAR5000A+3のランニングテストに使用しているACアダプターを同梱して返却するので、この電源で当方宅でテストして頂きたいとのご提案がありました。このご提案を受け入れ、修理品のAR5000A+3とAORさん貸与のランニングテスト用ACアダプターを送ってもらいました。
AR5000A+3とAORさん貸与のACアダプター到着後(AORさん貸与のACアダプターはAR5000A+3付属のACアダプターと同型のものでした)、AORさん貸与のACアダプターを使って数日間テストしてみると、2022年9月にはあった「電源を入れても音が出ない不具合」は発生しませんでした。更に当方所持の安定化電源(ALINCO
トランス式安定化電源 DM-310MV)を使ってもこの不具合は発生しませんでした。
私には理由はわかりませんでしたが、不具合は直っていました。AORさんの担当者さんによると「何か特別な商用電源(ACライン)などに因るもののような気が致します」とのことでした。
また「PLL基板は新品部品を無償で提供してありますので、今後長期に渡り正常動作する事と思います」とのことでした。
なお、1回目、2回目同様、周波数メモリは消えずにそのまま残っており、設定が変わっていたのはVFOのVD、VEの設定程度でした。
修理品のAR5000A+3はそのまま受け取り、AORさん貸与のACアダプターは先方のご指定通りヤマト宅急便の送料着払いで返送しました。
理由ははっきりしないものの不具合は直っていたという状況ではありますが、AORさんの対応は長期間にもかかわらず、真摯、親切丁寧な対応で大変満足しており、私の中のAORさんの株が爆上がりしました。
2022年6月下旬から2023年1月中旬までほぼ半年間、修理に出っぱなしで、ようやく戻ってきたメイン受信機のAR5000A+3は元の位置に戻り、現在は不具合なく動いてくれています。
All reported by "Konsu"
in Tokyo, JAPAN