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WEST TOKYO TV-FM DX

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AOR AR5000シリーズの音質設定

2021.06.17 掲示板投稿の移植版
2021.08.02 UP


私はAR5000A+3とAR5000を持っていますが、AR5000シリーズにはオーディオ特性の設定(受信音質の調整)の一つにディエンファシスがあります。
取扱説明書27~28ページ。

取扱説明書によるとディエンファシスはFM特有の回路で、FM受信の際には音質における高い周波数の音で雑音が多くなる特性があり、これを補正するための回路で、FMの送信機側で高音を強調して送信し(=プリエンファシス)、受信側では逆に高音を減衰して再生することにより、高音域の雑音を少なくしているとのことです。

AR5000A+3を購入した時にIC-R7000より高音の伸びが良くなく、DX局(電波の弱い局)の受信音が聞き辛かったため、グラフィックイコライザー BEHRINGER FBQ800を導入したきっかけとなったのですが、AR5000A+3とAR5000ではこのディエンファシスがデフォルトでONになっていました。

先日AR5000を購入して各種設定をしている時にAR5000シリーズにこの機能があることに気付きました。AR5000A+3を購入した時には気付いていませんでした。

設定するにはAF.SETキー(FUNC+MODEキー)→UPキー2回を押すと「DE.ENP」と出て設定出来ます。サブダイヤルで調整します。

調整の時定数にはTHRU(スルー)、25μs、50μs、75μs、750μsがあります。

AR5000A+3とAR5000ではIF110kHzのデフォルトで「DE.ENP 75」となっており、若干高音を抑えた音質になっています。

これを「DE.ENP THRU」(スルー)にすると高音の伸びがよくなり、これに設定すればグラフィックイコライザーを使わなくてもDX局(電波の弱い局)の受信音が聞きやすくなります。

しかしこれには罠があり、IFを変えるとディエンファシスがデフォルトに戻ってしまいます。

取説によるとディエンファシスのデフォルトは次の通りです。

FM
IF帯域幅0.5~15kHz 時定数750μs
IF帯域幅30kHz以上  時定数75μs

AM、LSB、USB、CW
THRU(通過)

DX受信では受信局の正確な周波数を調べるためにIF帯域幅を狭めて測定することがありますが、それを行うとディエンファシスがデフォルトに戻ってしまうのです。

例えば、96.0MHzでFM放送をIF110kHz受信し、受信音を聞きやすくするためにデフォルトの「DE.ENP 75」から「DE.ENP THRU」変えたとします。
次に96.0MHzの正確な周波数を測定するためにIFを110kHzから15kHzや6kHzに変えるとIF15kHzやIF6kHzのデフォルトの「DE.ENP 750」に強制的に変わってしまい、元のIF110kHzに戻してもIF110kHzのデフォルトの「DE.ENP 75」になっています。

「DE.ENP THRU」にしてプリセットすることは出来ますが、IFを変えるとデフォルトに戻ってしまいます。

出来れば「DE.ENP THRU」に設定したままに出来るようにして欲しかったところです。

結局はグラフィックイコライザーのお世話になることには変わりなくなっています。


転載元
WEST TOKYO TV-FM DX BBS Past Log 2021.01-06
http://konsu.sakura.ne.jp/bbspastlog/133.html


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