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VHF・UHFの電波伝搬

2010.04.04 UP
追記 2012.07.05 UP


(注)日本同様、海外でもTVの地上デジタル化、地上アナログTV放送終了が進んでいるため、ここに書いてあることは現在の状況とは一部異なっている部分があります。しかし、電波伝搬の説明をうまく伝えるため、修正はせずにそのまま掲載しています。
(2012.07.05追記)

初めに

 当ページの文章は福永光洋氏がJapan V・UHF DXers Circle(JVUDXC)の「V・UHF DXing 1985」に寄せた「V・UHFの電波伝搬」を基本引用しつつ、当方(こんす)が自身の受信経験などを付け加えて作成したものです。引用に快諾、かつ執筆協力頂きました福永光洋氏には厚くお礼申し上げます。

VHF・UHFの電波伝搬

 FM放送やTV放送はVHF・UHFなどの電波を使用していますが、VHF・UHFの電波は通常、電離層を突き抜けてしまうため、短波のように遠距離伝搬をすることはなく、また光に似て直進性が強く、見通し距離(見通せる範囲内)にしか電波が届くことはありません。しかし、時として異常伝搬によって遠距離伝搬が可能になり、海外や国内の遠距離のFM・TV放送が受信出来ることがあります。ここでは、通常私たちが受信している見通し距離内の伝搬、及び異常伝搬を含めた、VHF・UHFの電波伝搬の全般を説明します。

 VHF・UHFの電波伝搬は、(1)地上波、(2)対流圏伝搬、(3)電離層伝搬の3つに大きく区分することが出来ます。

1. 地上波(グランドウェーブ,GW)

 グランドウェーブ(Ground Wave)は現象的には、直接波(Direct Wave)、反射波(Reflected Wave)、回折波(Diffraction Wave)、屈折波に分類出来ます。前者2つは見通し内伝搬、後者2つは見通し外伝搬に主に関与しています。

▽見通し距離内の伝搬

 VHF・UHFの電波は光に似て直進性が強く、通常は見通し距離にしか電波は届きません。まず、幾何光学的な見通し距離を計算する場合、幾何光学的な見通し距離をD、地球の半径(6370km)をR、送信アンテナの高さをh〔m〕、受信アンテナの高さをh'〔m〕とすると、
 D=√2R(√h+√h')=3570(√h+√h')〔m〕
になります。VHF・UHFの電波の見通し距離の場合は電波が大気によって屈折されるため、その見通し距離は幾何光学的な見通し距離Dよりも長くなります。標準大気、つまり普通の大気の状態では大気の屈折率は地上からの高さが上がると共に直線的に減少します。屈折率が高さと共に減少するということは、地表面に水平に発射された電波は下方に湾曲して、凸形に曲げられることになります。VHF・UHFの電波の見通し距離を計算する時は、詳しい説明はここでは省略しますが、日本における標準大気では上記式の地球半径Rを4/3倍して考えるとされています。

 直接波は途中に障害物も何もなく、送信アンテナから受信アンテナに直接伝搬する電波のことです。私たちが普段受信している地元などの見通し距離内のFM・TV局はこの直接波を受信しているのですが、実際には、もっと厳密にみると、直接波と大地・建物・山の斜面などで反射してきた反射波とが干渉したものを受信しています。常時受信出来るVHF・UHFの電波は、直接波以外に、このような反射波、後述の球面大地での回折波、大気の屈折率変動による屈折波の成分も受信していると考えられることから、通常、BCL/DXerの間では「直接波」と言うよりも、これらの総称である「グランドウェーブ」と呼ぶことが多いです(日本語では「地上波」ですが、BS・CS放送に対しての地上のVHF・UHF放送のことも地上波と呼ぶので、これとの混同を避けるため、「グランドウェーブ」が用いられるようです)。ただし、常時受信出来る電波でも、後述の山岳回折は別個に扱われています。

 常時受信出来るFM・TV放送を受信していると、時折、数十秒~数分間、電波が乱れたり、電波が乱れながら信号が強くなることがあります。これは通常受信している電波に飛行機で反射した反射波が干渉してくるためと考えられています。受信地の上空を飛行機が通過した際にはその反射波は特に強力で、FM放送のステレオ分離度が低下したり、アナログTV放送の画面にゴーストが生じたりします。微弱な電波の局を受信している時には、飛行機反射波の方が強くなることも多く、局名確認に有益になることがあります。この飛行機反射波による伝搬では、見通し距離外の局が受信出来ることもあります。後述の山岳回折やトロッポで受信中の局に飛行機反射波が干渉することもあるようです。

▽見通し距離外の伝搬

 送信アンテナからみた見通し距離の裏側にも電波が回り込んで到達することがあります。これを回折波と呼んでいます。球面大地の裏側にもこの回折波が回り込んで届きますが、この場合は電波は平滑な大地に沿って回折しながら伝搬するので、この球面大地での回折波は伝搬損失が非常に大きくなります。

 しかし、電波パス(送信点-受信点)の間に尖った山岳があると、球面大地の見通し距離外伝搬よりも電界強度が強くなる場合があります。これを山岳利得と言います。山岳利得についての詳しい説明はここでは省略しますが、本来ならば障害物となる山がこの山岳利得によってあたかも山頂に中継点を設置したかのような存在になり、山の裏側にまで電波が届くのです。BCLの間ではこの山岳利得による遠距離受信は「山岳回折」として知られています。山岳回折による伝搬は直接波のように状態が非常に安定しており、一年中、季節に関係なく、半永久的に同じ状態で受信出来ます。

 東京西部の当方宅で一年中受信出来る名古屋・岐阜・関西のFM・TV局は赤石山脈などの山々の山岳回折によるもの、三重のFM・TV局は富士山の山岳回折によるものと考えています。特に三重のFM放送の100Wの中継局が東京で受信出来るのは山岳回折の典型的な例でしょう。このような遠距離の受信では、夜間に遠距離の中波放送を受信しているように、数十分間隔の非常に周期の長いフェーディングを伴い、信号が浮いたり沈んだりしながら入感します。

 この山岳回折はグランドウェーブの範疇に入るものですが、BCLの間では「山岳回折」として独自に扱われています。

 グランドウェーブによる受信は国内局が中心となりますが、海外に近い、長崎の対島では韓国局が、沖縄の与那国島では台湾局がグランドウェーブで受信出来ることが知られています。

2. 対流圏伝搬(トロッポ,Tr)

 地表面近くと地表面から約10~15kmまでの高さの上空との間では空気が循環して流れており、この対流が起こる範囲を対流圏と呼んでいます。対流圏での大気の気温、湿度、気圧は大気中の電波伝搬に影響を与える気象であることから電波気象の3要素と呼ばれます。対流圏では様々な気象条件が起こりますが、その気象条件が電波気象の3要素によって電波伝搬にも影響を及し、ラジオダクトや対流圏散乱によって遠距離伝搬が可能になることがあります。対流圏内の要因で起こる電波伝搬を対流圏伝搬(Tropospheric Propagation)と言います。

▽ラジオダクト

 光は伝わっていく空間(媒質)の途中にプリズムのような媒質の性質が異なった部分があると、その部分で進路が曲げられて屈折されることはよく知られていますが、電波も同じように、伝搬する空間の途中で性質の異なった媒質に入っていくと屈折をします。具体的には電波は大気中に温度や湿度が異なる境界に突入すると、その部分で屈折を起こします。

 通常気温は上空にいくにしたがって次第に低下していきますが、気象条件によっては上空より地表面近くの方が気温が低いという温度の逆転状態が生じることがあります。この温度の逆転状態を生じている部分を温度の逆転層と言い、この境界で電波が屈折されます。また、湿度も気象条件によって急激な変化を示す面(湿度の不連続面)が発生することあり、この面でも電波は屈折されます。さらに気圧の不連続面でも電波が屈折されることがあります。こういった温度の逆転層や湿度の不連続面などが発生すると、電波は地表面近くを温度の逆転層や湿度の不連続面と大地との間を屈折と反射を繰り返しながら(接地ダクト・接地S形ダクト)、あるいは二つの温度の逆転層や湿度の不連続面の間で屈折を繰り返しながら(離地S形ダクト)、遠方に伝搬していきます。これが起こる空間領域をラジオダクト(Radio Duct)と呼んでいます。

 ラジオダクト、つまり温度の逆転層や湿度の不連続面などが生じる要因としては次のようなものがあります。

(1)高気圧の沈降によるダクト

 高気圧圏内では非常に乾燥した下降気流が生じますが(この現象を沈降と言います)、地表面近くの湿った空気がこの乾燥した空気に閉じ込められる形になり、その境界付近に湿度の不連続面を生じて、ダクトを発生させます。特に夏の太平洋高気圧は赤道付近で上昇した空気を蓄積した後に、適度に乾燥した下降気流を吹き下ろすので、良質なダクトが発生します。高気圧圏内の海上は、海面から蒸発した水蒸気により湿度の高い状態であるため、湿度の不連続面を生じやすいと言えます。

(2)前線によるダクト

 寒気団と暖気団が地表面で接する所がいわゆる前線です。前線が発生すると、暖気団の暖かい空気の下に寒気団の冷たい空気が斜めに進入したり(寒冷前線の場合)、寒気団の冷たい空気の上に暖気団の暖かい空気が斜めに進入する(温暖前線の場合)ので、両気団の接触部分では温度の逆転層が生じ、ダクトが発生します。

(3)夜間冷却によるダクト

 陸地では日没と共に夜間熱放射によって上空の大気より大地の方が早く冷却します。これにより上空の大気よりも地表面近くの大気の方が温度が低い温度の逆転状態が現れ、ダクトが発生します。このダクトは平野部に発生するダクトで、昼間は晴天で暖かく乾燥し、夜間も晴れて無風状態であるような日の夜間に発生します。

(4)海岸での移流によるダクト

 一般的に海水の温度の上昇・低下は陸地に比べて緩慢です。そのため海岸付近では、昼間は陸地の高温低湿な空気が上昇して海上の低温多湿な空気が陸地に移動し、海風が起きます。夜間には海上の高温高湿な空気が上昇して陸地の低温低湿な空気が海上に移動し、陸風が起きます。これにより温度の逆転状態と湿度の不連続が生じてダクトが発生します。このダクトは晴れた真夏の午後に海岸線に沿って多く発生します。また、低気圧が日本海を通過した時に起こるフェーン現象により、日本海沿岸の海上に発生することもあります。

▽対流圏散乱

 気象条件など何らかの要因によって大気中に局所的に乱れが起こり、周囲とは屈折率が異なる部分が出来ることがあります。この部分に電波がぶつかった時、電波がさまぎまな方向に乱反射を起こします。これを対流圏散乱(Tropospheric Scatter)と呼びます。

▽BCLにおけるトロッポについて

 BCLの間ではラジオダクトと対流圏散乱を総合して単に「トロッポ」または「対流圏伝搬」と言うことが多いです。

 トロッポは春~秋にかけて発生し、晴天の暖かい日に発生しやすいとされています。伝搬距離は通常は約100km~1000km程度です。信号はまるでグランドウェーブを受信しているかのような安定した信号で、周期の長いゆるやかなフェーディングを伴うことはありますが、激しいフェーディングはありません。信号は弱いものの長時間安定して受信出来るのがトロッポの有益な面です。発生持続期間はトロッポの発生成因にもよりますが、大体数時間~数日間、同じ状態が続くことが多いようです。成因によっては数週間~数カ月もの間、同じ状態が続きます。この伝搬に適しているのはVHFの日本のFM放送帯から高い周波数にかけてとUHFで、VHFの低い周波数ではあまり起きません。

 トロッポで最も有名なのは九州北部・西部~山陰地方にかけての日本海側で韓国のFM・TV放送が受信出来るものです。九州北部では春~秋にかけてはほぼ毎日どこかのFM・TV局が入っていると言っても過言ではないそうです。TV画像はVHFでは国内局の混信のためなかなか良い状態で楽しむことは出来ませんが、UHFはコンディションが良ければ地元局並の鮮明なカラー画像が受像出来る場合もあります。この韓国局の受信の場合、真夏よりも春と秋にFBなトロッポが発生することが多い傾向があり、時間的には夕方にピークがあるようです。この他、九州西部では時折中国局が受信されたり、九州西部で台湾局、九州北部で北朝鮮局・ロシア局が受信されたこともあります。

 国内でも様々なルートが報告されており、特に瀬戸内海を挟んだ対岸間で受信されるものは有名です。また、東京西部の当方宅では仙台、名古屋などのFM・TV局が受信出来ることがありますが、この場合は毎年7月中旬~8月中旬にかけての夏季にピークがあります。信号は九州北部で受信される韓国局と比較すると弱めです。

 このようにトロッポによる受信では、陸上伝搬よりも海上伝搬の方が有利な傾向があります。

 トロッポはラジオダクトによるものが多いようですが、対流圏散乱によるものでは日本-韓国間でのマイクロ波通信回線に使用されていたり、1975年から1年間沖縄本島-先島諸島間でのマイクロ波のTV中継回線に実用化されていたことがあります。九州北部で真冬を除いて受信出来る韓国南部のTV・ FM局もこの伝搬と考えられています(もちろんラジオダクトで受信されることも多い)。

 山岳をはさんだ遠距離の国内局を受信した場合、山岳回折なのかトロッポなのか判別が出来ないことがあります。このような場合、一年中、季節に関係なく受信出来れば山岳回折、一時的な期間のものであればトロッポとされます。ただ、旅行先などで受信した時には一年間の継続的なモニターが出来ないのが実際問題としてあるのも事実です。

 なお、東京西部の当方宅ではJ1chのNHK東京総合テレビがかつて深夜に停波していた時に名古屋の東海テレビの音声が一年中受信出来ましたが、夏季には信号が他の季節よりも上昇していました。これは一年中山岳回折で入感している電波の電界強度よりも、夏季にはトロッポを経由した電波の電界強度の方が高くなるためと考えています。

3. 電離層伝搬

 地球大気の上部は電離しており、電離圏を形成しています。電離圏では、電子密度のわずかな違いによって定常的に4つの電離層が存在し、地上からの高さの低い方からD層、E層、F1層、F2層と呼ばれています。通常、VHF・UHFの電波はこれらの電離層を突き抜けてしまいますが、下記に述べるような場合には電波が反射または散乱されて、遠距離伝搬が可能になることがあります。電離圏内の要因で起こる電波伝搬を電離層伝搬(Ionospheric Propagation)と言います。

★スポラディックE層伝搬(Eスポ,Es)

 VHFの異常伝搬の中で最も有名で、手軽に利用出来る伝搬がスポラディックE層伝搬(Sporadic E Layer Propagation)です。皆さんの方の中にもEスポでなら海外や国内の遠方のFM・TV局を受信したことがあるという方も多いと思います。

 EスポはE層と同じ高度95~130kmの間に発生する電離層で、局所的にしかも突然発生します。雲のように短時間の間に生まれたり、消えたり、流れたりします。英語の突発的なという意味の"Sporadic"からこの名が付けられています。Eスポは電子密度が非常に高い層で、通常は電離層を突き抜けてしまうはずのVHFの電波も鏡のように反射するので、FM・TV放送の電波がこのEスポに反射されて遠方に届くのです。Eスポの大きさは水平方向の広がりが数百km、厚さが500mから2km程度というのが代表的な値だそうです。

 Eスポは5月中旬~8月中旬の春季・夏季に顕著に発生します。これ以外の時期にも発生することがありますが、低い周波数帯のTV放送の入感が多いです。時間的には8~20時台に良く発生します。入感持続時間は76~108MHzのFM放送帯に限れば、数十分~数時間程度で、コンディションが良いと6時間もの間、何かしらEスポでFM放送が入感し続けていることもあります。世界全体における夏季のEスポ発生時間率をみると、日本付近は世界で最も発生率の高い地域になっており、我々は世界のBCL/DXerの中でも特にEスポの恩恵を受けていると言えます。

 伝搬距離は受信地点から1000~2000kmの範囲内と一般的に言われており、私の経験では通常は約800~2500kmの範囲内の局が頻繁に受信出来ます。地図に自分の受信地点から800kmと2500kmの円を描くと、その範囲内の局が頻繁に受信出来ることが分かります。

 これよりも近距離の地域と遠距離の地域の局の受信について言及しますと、まず近距離の場合は、電離層は斜めに入射する電波は反射しますが、入射角が小さくなると電波は電離層を突き抜けてしまうため、近距離の地域は不感地域になってしまいます。しかしEスポのコンディションが良ければ時折600km位までの近距離の局が受信出来ることがあります。またEスポのスキャッター(散乱)によって更に近距離の局が受信出来ることもあり、これはEスポで通常の距離の局が入感している時に極端に近距離の局が入感するという形で受信出来ることが多いです(神奈川で沖縄・鹿児島の局が入感している時に大阪の局が受信された例などがあります)。
 一方、遠距離の場合は、Eスポの高度は110km前後と低いので、1回の反射で入感する地域は最高で2500km程度と考えられていますが、うまい具合にEスポが2ヶ所以上に発生すると、電波はEスポと大地との反射を繰り返して3000km以上の伝搬も可能になることがあります。これをマルチホップと呼んでいます。

 Eスポで反射されるVHFの電波の上限周波数は通常100MHz台前半までです。FM・TV放送の場合は108MHzまでの局が良く受信出来ることになります。周波数が低いほど電波は反射され易く、入感頻度、信号強度、入感時間共に有利です。87.5~108MHzの欧米バンドのFM局より、66~74MHzのロシアバンドのFM局の方が良く入感する訳です。49.75MHzの中国・ロシアのC1ch・R1chのTVの映像信号は、Eスポシーズン中の日中は入感していない時間の方が短いほどです。EスポによるVHFの電波の最高使用周波数(MUFと言います)は通常は100MHz台前半までなのですが、時としてEスポのコンディションが良いと100MHz台後半~220MHz位の非常に高い周波数の電波まで反射することがあり、このような時には中国のC6~C12chのTV放送が受信されたことがあります。C12chの音声周波数は222.75MHzです。アマチュア無線でも144MHzがEスポ伝搬することが知られていますが、専門家の間ではこのような高い周波数でのEスポ伝搬は理論的にありえないそうです。これを解決する説としてEスポの傾斜理論があります。これはEスポは必ずしも地表面に対して水平な層ではなく、斜めに傾いている層もあるのではないかという説です。

 Eスポのかたまりの雲は時間と共に移動することが知られています。アメリカのスタンフォード大学で行われた多くの実験によれば西の方へ毎秒50~100mの速度で移動すると報告されています。日本での測定実験では速度は毎秒70~80mで移動し、移動方向が真夜中を境として南方向から北方向に移動すると報告されています。Eスポで受信出来る地域も移動する訳ですが、私の経験では入感地域の移動方向は必ずしも一定ではなく、中国の浙江省→江蘇省→山東省→遼寧省とほぼ北方向に移動する場合や、韓国→中国の江蘇省と西南方向に移動する場合、中国の浙江省→江蘇省→浙江省と行ったり来たりして移動する場合など、その時によってまちまちです。入感地域の移動速度も早い時もあれば遅い時もあり、時々、入感地域があまり移動しないこともあります。なお、測定結果によるとEスポは時間が経つにつれて高度を下げていくので、必ずしも入感地域の移動方向がEスポの移動方向と同じとは言えません。

 Eスポ伝搬による電波は大変強力です。FM放送がステレオ受信出来たり、TV画像が鮮明に受像出来たりします。時に良質なEスポが発生した場合には1W程度のFM局が受信出来ることもあります。ただ、激しく深いフェーディングを伴っています(FBなEスポだと一時的にフェーディングをあまり感じない時もあります)。広い地域が入感するため、数局が混信することも多く、特に入感頻度が高くて局数の多い中国のC1chのTVは、混信のためテレビ画面にビート縞が生じて見にくいことが多いです。

 アマチュア無線ではEスポとトロッポが混同されることがあるようですが、FM・TV放送は送信時間が長いので、Eスポとトロッポはわりと簡単に区別出来ます。一時的な入感で強弱の激しいフェーディングがあれば(フェーディングをあまり感じない時もあります)Eスポ、一つの局が数時間以上の間、グランドウェーブを受信しているかのような安定した信号(ゆるやかなフェーディングを伴うことはあります)で受信出来るようであればトロッポと判断して良いでしょう。その他、これまで述べてきた各々の特徴も参考にして下さい。

 最後にEスポの発生メカニズムについて述べると、Eスポの特性や発生機構は緯度地域によって大きく異なり、赤道型(赤道に沿って定常的に帯状に拡がるEs層)、中緯度型、極地の極光型(極地に発生するオーロラE層)の3つに大別されます。日本付近の中緯度型のEスポの発生成因ではウインド・シアー(Wind Shear)理論が有力とされています。

 中緯度のE層の高度では、地球磁場によるローレンツカにより、大気の風が東向きに吹くとイオンと電子は上向きに運動し、西向きに吹くとイオンと電子は下向きに運動します。つまり、ある高度を境にして上側で西向き、下側で東向きに風が吹くような風向きのずれが生じると、その高度にイオンと電子が上と下から集積して、イオンと電子の密度が非常に高い層が生成されるのです。これをウインド・シアー理論と言います。

 上層大気の風は大気潮せきによって発生します。上層大気は海の満ち引きと同様、月の潮せき力によって運動して風を生じ、海の干潮と満潮が一日に2回あるように半日周期で方向を変えます。一方、昼と夜の温度差によっても風が生じ、この風は一日周期で方向を変えます。この半日周期と一日周期の2つの風の様々なパターンをみることによって、Eスポ発生の動きがある程度説明出来るとのことです。

 ところが、イオンの運動をドップラー効果を利用したレーダー観測で測ると、イオンが上下から集積するような領域でも必ずしもEスポが発生するとは限りません。Eスポが発生する要因として、Eスポ中のイオンが金属イオンであれば、イオンと電子が結合して消滅する反応速度が十分に遅くなり、Eスポのようにイオンや電子の密度が高い層が維持されます。この金属イオンは、流星が大気に突入した時に蒸発した金属原子が電離し、このようなEスポ中の金属イオンが生成されると考えられています。流星がもたらす十分な金属イオンという条件がEスポの発生を不規則にしている要因の一つとなっているのです。

★F2層伝搬

 電子密度の比較的高いF2層は短波の高い周波数を反射するが、通常は短波のみで、VHFのようなさらに高い周波数の電波は反射されず、F2層を突き抜けてしまいます。しかし、電子密度は太陽黒点数の影響によって変化し、太陽活動が活発な時期、つまり太陽黒点数の多い時期には電子密度が高くなり、通常30MHz程度のMUFが60MHz程度まで上昇して、VHFの電波もF2層によって反射されることがあります。これは短波と同じ伝搬なので、VHFの電波も短波と同じように遠距離伝搬が可能になり、信号も安定したものになります。

 F2層伝搬(F2 Layer Propagation)は太陽黒点数の多い時期の春季と秋季が最適で、時間的には朝~20時頃です。伝搬距離は2000km以上の地域で、私の経験では3000~6000km内の範囲内の局の入感頻度が高いです。

 太陽活動は11年の周期があります。2007年に太陽黒点数の極小期があり、現在(2010年4月)はサイクル24の上昇期にあたります。サイクル23の太陽黒点数の極大期は2001年頃で、次のサイクル24の極大期は2012~2013年頃です。

 F2層伝搬は太陽黒点数の極大期前後の数年間に利用出来る伝搬です。現在はサイクル24の上昇期で黒点数も少ないため、この伝搬をあまり楽しめませんが、もう数年すれば海外のTVが楽しめるようになるでしょう。

 サイクル22、サイクル23の極大期前後には、春と秋の昼間、朝~20時頃、特に正午過ぎ~19時頃にかけて受信出来るE2,E3chのタイのTV、C1chの中国の海南省のTVが超常連局でした。春と秋には毎日のようにタイのTVが受信出来ると言っても過言ではありません。また、時折、タイ局の合間をぬってE2,E3chでマレーシアのTVが受信出来たり、A2chでフィリピンのTV、朝~正午過ぎにRlchでロシアのTVが受信出来たこともあります。早い時間帯はMUFが低い周波数までしか上がらず映像しか受信出来ないことが多いですが、夕方には高い周波数まで上り、音声も楽しめます。MUFは私の経験でも最高で60MHz程度で、E3ch音声(60.75MHz)は良好なのにE4ch映像信号(62.25MHz)は全く入感しないことがよくありました。

 TV画像はゴーストがひどく、何か映っているのか分からないことが多いです(若干見やすい時もある)。音声は大変強力です。Eスポとの区別は、TV画像が受像出来ればゴーストで判断出来ますが、音声のみを受信した場合はEスポとの区別は難しく、季節やある程度の経験から判断するしかありません。

 この伝搬は短波と同様の伝搬であり、理論的には地球の裏側の電波が届いてもおかしくはありません。50MHzのアマチュア無線バンドではヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカなど世界中と交信がなされています。ただ、TV放送の場合は、同じchの強力な近隣のTV放送の電波(ヨーロッパチャンネルのタイ、米国チャンネルのフィリピンなど)も一緒に届いてしまうため、これらの混信があったり、これらとの区別が出来なく、確認は難しいかも知れません。イタリア、アイルランド、フランスの各TV方式では、49~60MHz帯に他のTV方式で使用していない周波数に音声周波数が出ているものもあるので、これらについては可能性があり、実際、サイクル21の極大期にはフランスの2chのTV音声が41.270MHz(規定の周波数は41.25MHz。その後周波数変更)で日本でも受信されていますが、地上デジタル放送化によってこれらの周波数は消滅しつつあります。また、サイクル23の極大期には47.90MHzなどでBGM音楽放送が受信され、これが局からの返信によってチリの環境音楽限定サービス放送局と確認されています。

★スプレッドF伝搬(Fs)

 赤道付近や南極では、F2層内に高さ方向と水平方向の不規則性の極めて高い部分が形成され、この部分で電波が散乱させられることがあります。この部分をスプレッドF(Spread F)と呼びます。スプレッドFは赤道では夜間に発生し、21時頃にピークがあることが分かっています。MUFはF2層伝搬よりも高く、通常で70MHz台まで、まれに80~100MHz台のFM放送帯や144MHzのアマチュア無線バンドまで上昇することもあります。伝搬距離は大体2500~6000kmの範囲内です。

 スプレッドF伝搬は、F2層伝搬同様、太陽黒点数の多い時期に利用出来ます。太陽黒点数の極大期前後の数年間、春と秋の夜間、20時頃~深夜、特に21時頃~24時頃に受信出来る東南アジアのTVが超常連局です。これもサイクル22、サイクル23の極大期前後には連日のように東南アジアのTVが楽しめ、東日本ではA2,A3ch,4chのフィリピンのTV、E2,E3,E4chのマレーシアのTVが、西日本ではE2,E3,E4chのタイとマレーシアのTV、A2,A3,A4chのフィリピンのTVが常連局でした。まれにMUFが上昇した時にはFM放送も受信可能になり、東日本ではフィリピン全土や東マレーシアのFM、西日本ではタイ、ベトナム、カンボジア、ブルネイ、シンガポールのFMが受信されたことがあります。MUFについてはF2層伝搬よりも有利な反面、太陽黒点数の影響を受けやすい傾向があります。

 スプレッドF伝搬は散乱による伝搬であるため、フラッターを伴った入感が多いです。フラッターとはガサガサという、周期が早くて高低の極端なフェーディングのような感じのものです。信号は低い周波数のTV放送は強力ですが、高い周波数のFM放送は信号が弱くフラッターも感じやすいです。TV画像はF2層伝搬以上にゴーストがひどいですが、まれに若干見やすい時もあります。

 F2層伝搬との区別は、朝~20時頃の安定した信号はF2層伝搬、20時頃~深夜のフラッターのある信号はスプレッドF伝搬と、入感時間帯で比較的容易に区別出来ます。

 なお、電離層内で様々な原因で電子密度の乱れが発生することがあり、これによって電波が散乱され、色々な方向に乱反射を起こすことがあります。これを電離層散乱(Ionospheric Scatter)と呼び、D層やF2層で電波が散乱させられることがあります。50MHzのアマチュア無線の間ではスキャッター(Scatter)として知られていますが、信号が弱く、BCLではあまり利用されない(受信されない)ようです。

★赤道横断伝搬(TEP)

 F2層には、臨界周波数が高く、しかも高度が他の場所より高くなっている部分が磁気赤道を中心にして南北に2つあります。この部分で反射された電波は高い周波数まで反射され、かつ遠方まで届くことになります。この部分を赤道異常F層と言います。

 赤道横断伝搬(Trans-Equatrial Propagation)は、この赤道異常F層による反射、また、赤道異常F層に発生するスプレッドFによる伝搬で、磁気赤道をはさんだ南北間ではVHFの電波伝搬が可能になります。

 赤道横断伝搬にはAfternoon TypeとEvening Typeの2つの種類があります。

 Afternoon Typeはピークが昼間の12時頃~19時頃にあり、私の経験では朝から入感することもよくあります。信号は強力で安定しています。伝搬距離は6000~9000kmです。赤道異常F層の臨界周波数の値の大きい時に良好で、Evening Typeよりも太陽黒点数の影響を受けにくく、極小期にも伝搬することがあります。MUFは私の経験では60MHz台までです。

 一方のEvening Typeは夜間の20時頃~23時頃に発生し、信号は強いですが、深くて早いフェーディングを伴っています。伝搬距離は3000~6000km程度です。赤道地帯のスプレッドFの発生している時間帯と相関性があり、太陽黒点数の影響を受けやすいです。MUFは通常は70MHz台までですが、まれに80~100MHz台のFM放送帯、144MHzのアマチュア無線バンドまで上昇することもあり、海外では1979年3月にジンバブエのUHFの432MHzのビーコンがギリシャで受信された記録もあります。

 赤道横断伝搬はF2層伝搬やスプレッドF伝搬と同様、主に太陽黒点数の多い時期に利用出来る伝搬です。この伝搬ではオーストラリアのTVが超常連局で、ニュージーランドのTVもよく受信出来ます。また米領サモアのTVが受信されたこともあります。オーストラリアのTVはAfternoon Type、Evening Type共に入感し、特に13時頃~20時頃が良好です。ニュージーランドのTVは朝8時頃~夕方に入感し、夜間には入感したことがありません。午前中はNZ1chの映像のみの入感が多いですが、13時頃~夕方には音声も入感します。米領サモアのTVはこれまで数回しか受信されたことがありませんが、受信されたのはいずれも夕方で、Evening Typeにあるようなフラッターを伴った入感だったとのことです。

 Evening TypeではMUFが高い周波数まで上昇し、まれにオーストラリアのFMが受信されたことがあります。時間は18時台~22時台です。受信地と送信地の相関性をみると、同一経度上に近い地域のFM放送が受信されています。例えば、九州ではNorthern TerritoryのDarwinの局、関東ではQueensland州の局がよく受信されています。

 先述のようにArternoon Typeは赤道異常F層と、Evening TypeはスプレッドFと関係が深い訳で、私の経験でもAfternoon TypeはF2層伝搬、Evening TypeはスプレッドF伝搬と非常に似ていると感じています。入感時間、入感ピーク時間、MUF、信号強度、信号の安定さ(フラッターの有無)などはほぼ同じです。

 なお、赤道縦断伝搬という伝搬モードもあるようで、これは低緯度地域の間で磁気赤道上を伝搬するもので、サイクル22の際に沖縄-南米・アフリカ間のルートが開け、アマチュア無線で交信が成功したとのことです。

★流星散乱(MS)

 流星が高速で大気中に突入した時、流星の通過によって電離したガスの柱ができます。これに電波が散乱あるいは反射され、短時間遠方に伝わる伝搬を流星散乱(Meteor Scatter)と呼びます。この電離ガスの柱は地上から約80~120kmの高さにでき、丁度Eスポが一時的に発生したような状態になります。

 散乱・反射される電波の継続時間は、ほとんどが1秒未満のほんの一瞬のものから数秒程度という短い時間です。まれに数分以上続くこともあります。反射信号は0.1秒程度の短いものをピング(Ping)、数秒程度の比較的長いものをバースト(Burst)と呼んでいます。大気中に突入する時の流星の大きさや速度によって電離ガスの密度と大きさが左右され、このガスの密度と大きさによって反射信号の強度と継続時間が変わってきます。流星によって出来る電離ガスの柱は数mから数十mと言われています。

 流星散乱は、定期的な流星群(Shower Meteors)によるものと、どの季節でもみられる散在流星(Sporadic Meteor)によるものの2つに分けられます。

 流星群が出現する時期は毎年ほぼ定期的です。有名なものには1月のしんふぎ座流星群、4月の琴座流星群、5月の水瓶座流星群、6月の牡羊座流星群、8月のペルセウス座流星群、10月のオリオン座流星群、12月の双子座流星群などがあります。流星数の最も多くなる日をその流星群の極大日と言いますが、この極大日の前後、大体1~3日が流星散乱に適した期間とされています。時間的には流星が最も多く飛来する時間帯である夜半から明け方にかけてが適しています。最も流星の少ない時間帯は18時前後です。

 どの流星群にも含まれず、一年中、どの季節にも見られる流星を散在流星と言います。この散在流星による流星散乱も時々起こることがあります。以前、めぼしい流星群の無い時期にも流星散乱と同様の入感があることがBCL/DXerの間で話題となり、受信モニターと考察を重ねた結果、この散在流星による流星散乱とされたものです。この散在流星による流星散乱は、一年中、季節や時期には関係ありませんが、時間的には流星群によるものと同じ時間帯が最適です。

 流星散乱による伝搬は通常1秒未満~数秒程度や、FM・TV放送の受信の場合、ほんの数秒音声が震えるような感じで聞こえたり、一瞬音声らしきものが聞こえる程度です。このため、受信を試みるには、1000km前後の距離にある特定の局をあらかじめ決めておき、流星群の極大日前後の夜半から明け方にかけて、受信機をその局の周波数に合わせたまま入感を待つのが確実でしょう。

 国内局の場合、運良く入感時にIDが出れば局名確認が出来ますが、私の経験ではそのようなことはまれです。それでも運良くIDが出たり、1分程度の長い入感の時には局名確認が出来る可能性もあるでしょう。また、海外の局の場合には中波や短波と同一放送を行っている局にターゲットを絞り、もう1台の受信機でパラになっている中波や短波の放送を受信しながらワッチすると良いでしょう。私はこの方法でペルセウス座流星群による流星散乱で、韓国のKBS第1ラジオ系の局、北朝鮮の平壌放送、ロシアのRadio Rossiiの局名確認をしたことがあります。韓国のKBS第1ラジオ系の局に代わって同一周波数に出ている北朝鮮の平壌放送が入感してきたこともありました。

 なお、流星散乱は電離層ではありませんが、現象的に類似しているので電離層伝搬の項に入れました。

4. その他の伝搬

 この他、FAI(Field-aligned Irregularities)、オーロラ反射(Auroral Reflection, Auroral Scattering)、イナズマ散乱(Lightning Scatter)などの伝搬もありますが、日本のBCLの間ではこの伝搬で受信したという報告をあまり見掛けないため、ここでは割愛しました。また、地震の前兆現象としてのFM放送の遠距離伝搬も、他の異常伝搬との区別がどのようになっているのかなど、詳しいことは不明なので、ここでの説明は控えさせて頂きました。

最後に

 電波伝搬の参考書として下記のような本があるので、興味のある方は参考にして下さい。
・『電波伝搬ハンドブック』,和多田一郎著,1982年,CO出版社
・『6m HAND B00K』,西原寿一著,1994年,CQ出版社

▼執筆協力
 福永光洋氏

▼引用・参考資料
 V・UHFの電波伝搬,福永光洋著,V・UHF DXing 1997,Japan V・UHF DXers Circle
 V・UHFの電波伝搬,福永光洋著,V・UHF DXing 1985,Japan V・UHF DXers Circle
 特集 ブラボーEスポ Eスポの伝搬と運用,CQ ham radio 1985年6月号,CQ出版社
 V・UHF帯における夏場のコンディションと電波伝搬,CQ ham radio 1990年6月号,CQ出版社
 JARLアマチュア無線ハンドブック増補改訂版,1997年4月20日発行,日本アマチュア無線連盟編集・CQ出版社
 OVER-HORIZON,各号,Japan V・UHF DXers Circle
 VHF特集 海外のTVFM放送,短波1976年6月号,(旧)日本BCL連盟
 VHF特集 海外のTVFM放送,短波1977年6月号,(旧)日本BCL連盟
 特集 VHFの受信成果とDXテクニック,短波1978年6月号,(旧)日本BCL連盟
 特集 海外TV,FM受信全科,短波1979年6月号,(旧)日本BCL連盟
 特集 日本で捕らえる海外のTV,FM放送,短波1980年6月号,(旧)日本BCL連盟
 特集 近隣諸国VHF-DX全科,短波1981年6月号,(旧)日本BCL連盟
 特集 見る・聞く 海外・国内テレビ・FMのすべて,短波1982年6月号,(旧)日本BCL連盟
 特集 テレビとFM DXのコツ教えます,短波1983年6月号,(旧)日本BCL連盟